「歌×踊」対談 ~はへー×ありく×ぽるし編~
ニコニコ超会議2025にて「歌×踊コラボ」を経験した3名による熱い対談をお届け!
モリスレイ:
僕の場合は、ぽるしさんが自分の歌を気に入ってくれて、僕の音源を使って踊ってみた動画を上げてくれた所から交流が始まって、その後ライブに呼んでいただいたりっていう始まりでしたね。
NORISTRY:
僕も踊り手さんに音源を使って頂く機会も多いので、そこで初めて知る方もいらっしゃいますし、SLHみたいに僕が歌い手専業になる前から動画を見て知っていた方もいますし。
SHIRAHAN:
あれ?俺らのほうがデビュー早いですかね?俺らは2011年とかだったかな?
NORISTRY:
僕が2012年あたりですね。ほんまに最初は僕も趣味で始めたので、すごい勢いのあるグループさんとか動画とか見て「わぁ、ネ申だなぁ~」って思って見てました。
SHIRAHAN:
そういう人たちに影響されて動画活動を始められたっていう感じなんですね。
NORISTRY:
そうですね、2018年頃から歌一本でやらせてもらってます。元は会社員だったんですけど、ありがたいことに会社よりも歌のほうでの稼ぎが安定しだしまして、潜在的に「歌でメシ食っていきたいなぁ」という思いはあったので、今頑張らなアカン時ちゃうか?ってなって、今に至るという。SLHはどれくらいで踊り手でお仕事成り立つようになりました?
SHIRAHAN:
俺らも結構遅かったと思いますね、2015、6年とかかな。動画をやるようになってから、イベントに呼んでもらえるようになったり、自作のグッズを販売したりとか出来るようにはなったんですけど、グループだったのでなかなか生活できるレベルになるまでは…。ほんとに軌道に乗り出したのは、やっぱり15年とか16年あたりかな。
モリスレイ:
歌ってみたとか、そういった文化自体は視聴者として10年以上見てきてはいたんですけど、これで生計を立ててる人がいるんだぁとか、そういった感覚はあまり無かったですね。
NORISTRY:
2021年に初投稿だっけ?逆になんで活動側になったんやろ!
モリスレイ:
そうですね、2021年の4月から歌い手として活動し始めたんですけど、元々歌うことは好で軽音楽部でボーカルをやったりとか、さっき言ったようにボカロも好きだったんですよね。で、一時期は仕事に追われて新曲を追えてなかったんですけど、少し落ち着いたころに新進気鋭の方々を見て希望を貰って「今からでもチャンスがあるんじゃないか?」ってことで始めましたね。
NORISTRY:
そうですね、僕らがデビューした2012年頃って、こういう活動に企業が目をつけ始めた頃だったんですよね。ただ、「歌ってみたなんて無償でやるもんだろ!」っていう派閥の人も多くて、一方で「稼げるなら稼げばええやん」みたいな派閥の人もいて、めっちゃバチバチにやりあってたような(笑)。
SHIRAHAN:
視聴者さんもそういう感じだったよね。
NORISTRY:
そうそう、怖い!とか思ってて。ニコニコのクリエイター奨励プログラムが始まった時も、あれやってるって知られると叩かれたりしたんで、やってないフリとかしてましたね(笑)。踊ってみたもそういうことありました?
SHIRAHAN:
ありましたねー!あの頃って企業臭がすると人が離れていくというか。元々こう、才能の無駄遣いっていうね、そういうのを見るのが好きな人が集まっていたから、そういった技術とかをお金に変換するっていうのに、やっぱ最初は拒否感は多かったね。
NORISTRY:
もっと昔の世代になると、ミックスとか動画の制作とか、いろんな活動をタダでやるのが当然って時代だったのが、ちょうど僕らの世代くらいから有償で依頼を受ける方も増えてきたので、そのままやってると自分の活動費が飛んでいくだけになっちゃうから、徐々に自分たちもお金を頂いていくっていう流れになっていましたね。
SHIRAHAN:
俺は、動画投稿をやって革命的だなって思ったことがあって。当時は東京とか横浜の深夜のクラブのショーにダンス出演するために、限られた知り合いに声かけて、チケット捌いて、っていう日常があったんだけど、「こんなんでいいのかなぁ」なんて思ってる時に、ニコニコ動画っていうものがあると聞いて、踊ってみたっていうのが流行ってると。それで初めて動画を見たのが『ただのん(※取材担当者)』で。
NORISTRY、モリスレイ:
ええー!!
SHIRAHAN:
当時千本桜ってのを踊ってて、なんだこの下っ手くそな奴って思って(笑)。だははははは(笑)。
全員:大爆笑
SHIRAHAN:
なにこの下手な人!でもめっちゃ動画伸びてるじゃん!だったら俺たちがやったらもっと伸びるんじゃね?っていう所から始まって(笑)。まぁ後々ただのんの凄さとかも知っていくわけなんだけど、あの頃ってダンスの基礎とかそういうのじゃなくて、好きっていう気持ちだけで踊ってる人が多くて。
モリスレイ:
確かにそういうイメージもあったかもしれないですね。
SHIRAHAN:
それがすごく良いところでね。ただ当時はそんな文化もよく知らないで投稿を始めたんだけど、ネットって全国の人が見てくれていて、それでとあるイベントを開催したときに「鹿児島から来ました!」とか、自分たちの知り合いじゃない人がパッと遊びに来てくれたんですよ、4人くらいだったかな、それに本当に感動して。そこからもう本気で動画投稿やろうって決めて今に至る感じですね。
SHIRAHAN:
他の人がやってないようなことをやってみたりとかはしたなぁ。それこそ、踊ってみた=定点で一発撮りっていうのが当たり前だった時に、アングルを変えてみたり、カット割りを入れてみたりとかして、もっといい作品になるんじゃないかと思ってチャレンジしてみたり。今ではもうMVみたいな動画が当たり前になっちゃってね。
NORISTRY:
確かに、踊ってみたの動画ってそういう感じの多いですよね。SLHはそういうのをやるのが早かったイメージありますね。
SHIRAHAN:
最初はめっちゃそれで叩かれましたね(笑)。でも、それを新しいと思ってくれる人もいて、続けていったらだんだんと真似してくれるようになっていって、いつしかそれが当たり前になっていって。
モリスレイ:
最初はやっぱり変化に拒否反応出る方もいますよね。
SHIRAHAN:
踊ってみたっていうモノが好きだからこそ出るんだと思うんですけどね。
NORISTRY:
変化って言うと、キー変更なんかは色々ありましたねぇ!キー変更は負け、みたいな(笑)。
モリスレイ:
昔みんな高かったですもんね。
NORISTRY:
ピコさん、赤飯さん、灯油さん、とかとか、高音系の歌い手ブームがあったんですよね。コメントとかで「キー変えんでも歌える奴おるやろー!」みたいなこと言われたりで、キー変更したら叩かれるみたいな、そんな時ありましたね(笑)。
SHIRAHAN:
うわーそうなんだね(笑)。
モリスレイ:
やっぱり原キーじゃないとダメなのかなぁって先入観はちょっとありましたね。でも最近はボカロPさんによっては色んなキーでインストを用意してくださる方もいらっしゃるくらいですし、リスナーさんも自分の一番良いところを出したほうが良いっしょみたいな、そういう受け取り方をしてくれる人が増えた印象ですね。
NORISTRY:
最近は、VTuberやゲーム実況者もライブやられる方増えましたけど、昔の僕らがGeroさんやHoneyWorksさんを見て辿ってきた道を、今彼らがなぞってきてる感はありますね。
SHIRAHAN:
武道館とかホールツアーとか、規模間の大きいライブをやれる人とか増えたよね。
NORISTRY:
ライブハウスなんかだと、歌い手お断りみたいな場所もチラホラあったりして、本当に最近まで「僕歌い手です!」って胸張って言える事は無かったですね。
SHIRAHAN:
ダンサーもやっぱり、ニコニコ見てます、ボカロ聞いてます、とか言うとバカにされたりとか、端っこに追いやられてる感はあったけど、あえてそういうジャンルが大好きな人たちが集まって守ってきた場所だからこそ、ニコニコ動画ってすごく愛される場所になったし、今ではカラオケのランキングにボカロが普通に存在していたり、ネット出身の人が紅白に出たりとか、先人たちが作ってきた文化がしっかり花開いてる感じはありますよね。
NORISTRY:
んー…。あんまり無くないですかね?(笑)。めっちゃ大きく言えば音楽が好きとか、そういう話じゃないですか?
SHIRAHAN:
そうだね(笑)。なんだか似たようなことをしているハズなのに、不思議な壁があるよね。
NORISTRY:
どちらもフロントマンをやるので、お互いに俺が俺がっていう争いが起きそうというか(笑)。
NORISTRY:
そういう意味では、今回出させていただいた超会議のライブは、最初の僕の想像では、歌い手が端っこに居て踊り手さんがガンガン踊るのか、歌い手がセンターでバックダンサーがつくみたいな感じなのかって思ってたんですけど、いざやってみたら、簡単な振り付け踊ってもらえますか?とか、フォーメーション移動とか、そういうのがあって、思ってた以上に共存ができるのかなっていう可能性を感じましたね。
モリスレイ:
今はマイルドな時代ですしね。
NORISTRY:
そうそう、今この時代やからこそ共存できるのかなと。どっちかがメインとかじゃなくて、全員にちゃんとスポットが当たるようなステージが作れた。
モリスレイ:
僕も最初にお話をいただいたときは、どっちが主役とかはないですって聞いてて、どうなるんだろうなぁと。本当に勝手なイメージですけど、もしかしたら歌のほうが目立っちゃうんじゃないかなって最初は不安でした。でも実際は全然そんなことはなくて。
NORISTRY:
フォーメーションだとか、振り付けだとか、そういうのって歌い手から絶対に提案出来る事じゃないので、本当に踊り手さんには感謝しかないですね。
SHIRAHAN:
俺は今回のCollection THE LIVEに参加したわけではないんだけれど、やっぱり踊り手って、みんなめちゃくちゃ歌い手さんとコラボしたい欲ありますよ。
NORISTRY:
えー!?ほんまですか!?
SHIRAHAN:
やっぱり、歌い手さんのカバー音源で踊ったりすることも多いから、その人の生歌で踊ってみたいってめっちゃ思いますね。ただ、いざオファーしたりするのは忍びないというか(笑)。
モリスレイ:
え、なんでですか?
SHIRAHAN:
1曲だけ歌ってもらう為にオファーするのかぁ…。とかね(笑)。あとは依頼の相場が分からなかったりとか、連絡する手段がそもそも無いとか。踊り手同士だったらすぐ連絡とれるんですけど、歌い手さんだと、どこの誰に連絡をすればいいのか分からなかったりとか。
NORISTRY:
えー!僕なんかはめっちゃ共演したいんですよ!やりましょうよ!
モリスレイ:
踊り手さんって横の繋がりが広いイメージありますね。
NORISTRY:
なんて言うんですかね、イベントで共演して、楽屋でワイワイお話とかもするけど、そこまでプライベートで連絡を取り合ったりとかはしなかったり。歌い手はそこの線引きが濃い気がするんですよね。
モリスレイ:
僕は歴が浅めっていうのもあるんですけど、横だと基本的にはイベントとかで共演させていただいて、そこからやっと徐々に徐々にくらいですね。
NORISTRY:
僕、一番最初はド陽キャで界隈に入ってたんですけど、あんまりウケなかったというか(笑)。あー、なんか違うのねー…ってなって、控えるようになったら、逆に雰囲気に染まってしまいましたね。
NORISTRY:
お互いが同業なので、ライバル感というか。そういう意識が強いかなと感じますね。
SHIRAHAN:
踊ってみたはそういうライバルみたいな感覚は少ないね。一緒に踊るっていうところで、協力しあって作っていく感覚が強いので。
NORISTRY:
やってみたっていうジャンルで括られがちですけど、似て非なるものじゃないですか。同じ場所で活躍してるけど、意外と関わりが薄いというか。それこそ、踊り手さんが歌い手と一緒にやりたいと思っているっていう事自体を僕らは知らないレベルなので。お互いにそうかもしれないですけど、誰かしらが先陣を切って、動画なりイベントなりをやっていけたらすごくいいと思いますね。
モリスレイ:
違うジャンルの人とっていうのはトップ層がやるものみたいに見えちゃうところがあるかもしれないんですけど、そうじゃなくて、もっといろんな人が積極的になっていければいいかもしれないですね
NORISTRY:
そうそう、異種格闘技戦みたいな(笑)。
SHIRAHAN:
その人の人となりと言うか、そういうのを知れる機会だったり、きっかけを作る人や場所があればなと思いますね。なんだか、いざ話しかけたとしても「自分のことは知ってくれていないだろうな」っていう先入観があったりして、何を話せばいいかなーみたいな(笑)。
NORISTRY:
それこそ今回の超会議だったりはいい機会になりましたね!
SHIRAHAN:
ひとつ出来上がったきっかけを膨らませられるようなチャンスがあったらいいですよね本当に。いまこの対談も正にそうですけど、こういった機会は本当にありがたい。
SHIRAHAN:
ひとつ聞きたいんですけど、歌ってみた界隈で後輩を引っ張っていくぞみたいに活動してる人とかっているんですかね?
NORISTRY:
んー、あんまり見ないですね。歌ってみたって参入のハードルがすごく低いので、相対的に活動者の人数も凄く多くて、どうしても拾いきれないというか。
SHIRAHAN:
世代間交流を勧めてる方とか、そういった人はいないんですかね?
モリスレイ:
誰かが取りまとめてたりとか、そういったイメージって無いですね。
NORISTRY:
同じくらいの活動歴同士で仲良くなってイベントをやったりっていうのは見ますけど、先輩後輩がガッツリ交わるみたいな事は、薄いほうだと思いますね。
SHIRAHAN:
踊ってみたは、世代間でもコラボとか普通にするから、なんか界隈の違いなんでしょうかね。へぇ~。
NORISTRY:
昔はETAっていうイベントで新人枠みたいなのがあって「わ!こんな人居んねんや!」って発見はあったんですけど、やっぱり今は減っちゃいましたかねぇ。
NORISTRY:
そうですね!ライブオファーとか、全然コンスタントに声かけていいと思います!
モリスレイ:
動画のコラボとかもお気軽にお声がけいただいていいと思います!
NORISTRY:
思い返してみると、踊り手さんとの関係を作るキッカケって、やっぱりライブなんですよね。飲み会とかも勿論あるかと思いますけど(笑)。
SHIRAHAN:
やっぱ、今日もこうやってご縁が出来たわけだけど、そういった繋がりを大事にして、自然と輪が広がっていくのとかは、理想的ですよね。
NORISTRY:
今回の超会議の企画とかで言えば、運営さんのほうで事前に合同リハーサルとかがあったら、もっと交流を深める機会が作れたかもしれないですよね。お会いするのが本番のタイミングだけとかだと、どうしてもステージに集中しちゃって気が回らないというか。
モリスレイ:
僕達のチームは一回みんなで集まって自主練とかがあったんですけど、やっぱりオフに近い状態で会えるのはデカかったですね。だいぶそれで打ち解けられたので。
NORISTRY:
バンドさんとかとも打ち上げの時に「前もって話せてたら、更にいいグルーヴでライブできたねー!」みたいな話めっちゃしますからね!
モリスレイ:
ですねー。次の機会があったら、是非さらに打ち解けてからステージに臨みたいですね。
SHIRAHAN:
折角今日はこういう機会もありましたし、本当にコラボとかしましょうよ!
NORISTRY:
是非是非!
モリスレイ:
やりたいです!よろしくお願いします。
全員:ありがとうございました!