「愛川こずえ」特別インタビュー
バズ振付部門の審査員「愛川こずえ」に、振付作成のこだわりやバズの狙い方を聞いてみた!
踊コレ2025秋『バズ振付部門』開催にあたり、審査員の3名に振付作成のこだわりやバズの狙い方を聞いてみました!
「踊ってみたの投稿者」として、そして「プロの振付師」として意識していることとは…?
その他審査員のインタビューも掲載中!
Twitterでフォロワーさんから回ってきたハッピーシンセサイザの動画を開き、最初の音を聴いた瞬間、電撃のようなものが自分に走りました。
これはもう踊るしかないと思いました。
誰か踊ってくれたらいいなとは思いつつも、知り合いも一人もいない、動画投稿も振付を作ること自体も初めてだったので、とりあえず”踊ってみたい”という衝動だけで行動していたと思います。
【踊ってみたの投稿者として】
まず、ゴールをどこにするのか。
たくさんの人に踊ってもらうため?自分がかっこよく気持ちよく踊れればいいか?人が踊るイメージかミクが踊るイメージか?など振付を作る前に目標を定めてから作り始めます。
【プロの振付師として】
自分の中で”良い振付”ができたとしてもあまり意味がなくて、目標としてはその振付を踊ったアイドルやアーティストの方、そしてそれを見たファンの方が喜んでくれる振付を目指しています。
振付を作る際、自分のエゴと大衆的な良さを戦わせてバランスを取りながら完成を目指しています。
たくさんあります。
大抵は後述の伸びる法則を無視して、ただやりたい曲でやりたいように振付した場合です。
ただあくまで伸びるためにはってことであり、やりたい曲でやりたいように振付することはとても良いことだと思っています。
【踊ってみたの投稿者として】
1曲通して踊った際、踊った本人が疲れて息があがるような振付を目指しています。これは単に自分が簡単で疲れない振付があまり好きじゃないというのもあるし、固定カメラ、フル尺で踊り通した時に見える息の上がった姿というのがストーリーがあって好きです。
歌詞をよく読み込み理解することも大事です。「好き」という歌詞があったとしてただ手でハートマークを作るのではなく、どういう文脈の「好き」かを理解してもじもじしたり、哀しいときの好きを表現したりなど本当の意味での”歌詞を振付にする”を目指しています。
【プロの振付師として】
今はショート動画の時代なので基本は上半身で解決する振付です。その上で全身を使ったバージョンもあればいいと思います。(曲やクライアントの要望などによります)
”〇〇ダンス”みたいにテーマを決めて作ることも良いと思います。
新しくて人気な曲でやること。
オリジナル振付を見せたい時(振付をコピーしてほしい時)は絶対に振付がフルでわかるようにすること。基本的には途中でアップで寄せたり小ネタをはさんだりはしないほうが良いと思ってます。
カット割りの絵替わりがない代わりに、固定カメラの中で自分が動き回ることでダイナミックさを出すようにしています。
必ずしも固定カメラの画に全身綺麗に収まっている必要はなく、足が切れたり横に飛び出したり、そういうのもありだと思います。
顔なのか、シルエットなのか、踊ってる感なのか…見せたいものを見せつつ注目を引くような画像にすること。
『galaxias!』かわいい
『CLAP HIP CHERRY』かわいい
『Nostalogic』うつくしい
”ただやってみる”ことです。
自分も初めての投稿時はまともなカメラも三脚もなかったので画質の悪いデジカメで雑誌を積み重ねて高さを調節したりしていました。撮った後も編集の仕方もエンコードの仕方もわからない。投稿した後に伸びるかどうかも。もしかしたら容姿や技術のことで悪いコメントがつくかも。
それでもやりました。やってみたかったから。
その後はもっと上手に踊りたい、もっと上手に撮りたい、良い場所で撮りたい、もっと動画を伸ばしたい。そう思うようになり遠回りをしながらも色々な努力と工夫を重ねてきました。
今は調べればたくさんの情報があるし、カメラも気軽に高画質で撮影できるけど、その時に経験した遠回りの全てが今の自分の仕事の引き出しになっていると実感しています。
だからまずはやってみること、そして近道ばかりを選ばないことが自分からのメッセージです。